東洋医学の診察法(脈診と舌診)

東洋医学の診察法、脈診と舌診

東洋医学には特殊な診察法があります。

その中でも特に使われるものに、脈診と舌診があります。

脈診のご説明

脈診では何がわかるの?

脈診の説明をするとき、いつも困ってしまいます。

脈をどのように診て、それでどのように判断するのかをこと細かく説明していたものです。

脈診のご説明

東洋医学には、脈診という独特な診察法があり、当院でもこれを使い診察を行ないます。

この際に診る脈は、主に手首の橈骨動脈をとります。

その脈の状態から、患者様の体の状態を読み取ります。

どのように読み取るのでしょうか?

脈診では、本当にたくさんの要素を読み取ることができます。

・体内の活動度

・体内循環物のバランスと偏り具合

・筋肉の連動性

・体内機能のバランス

などなどです。

例えば、脈の「速さ」と「太さ」、「強さ」を診るだけでもたくさんのことがわかるように脈診はできています。

この3つの要素ぐらいなら、見慣れれば、患者さんたちもご自分で診れるようになるかもしれませんね。

「速さ」・「太さ」・「強さ」を脈診する

簡単に書こうと思いますが、ちょっと専門的になります。

この「速さ」・「太さ」・「強さ」3つの要素は、それぞれを2つに分けることができますよね。

「速さ」は、「早い」と「遅い」

「太さ」は、「太い」と「細い」

「強さ」は、「強い」と「弱い」

3要素を相反する2つに分けました。

これで、6つの要素ができました。

これらを組み合わせます。

すると、2x2x2=8、で8種類のパターンに分けることができるわけです。

「速い」と「遅い」での体調の違い

患者さんの脈を診たとします。

もし、脈が速いとすると、まず、熱があるのかな、と考えます。

または、ちょっと急いで走ってでも来たのかなと思います。

それとも、何かどきどきするような精神的な問題を抱えているのかな、などとも考えます。

もし、脈が遅かったら、冷えているのかな、と思います。

そして、体力がないのかなぁ、などとも考えます

脈は通常1分に60回です。

東洋医学では、1回の呼吸で4回脈打つのが普通と考えています。

息が荒い人は、脈が早いのは当たり前というわけです。

「太い」と「細い」での体調の違い

患者さんの脈が、太かったら、

血が多いのかな?

水が多いのかな?

、と考えます。

血が多いと脈は大体において早いです。

でも、水が多いと体は冷えて、脈は遅くなります。

ですが、水が熱を帯びた湿熱といわれるものは脈が速くなってしまいます。

そのときは、脈管の柔らかさを診て、水でむくんでいるかで判断します。

脈が細いのに早い時は、体内の水が少なくなって乾いていると考えます。

「強い」と「弱い」での体調の違い

脈が強いと、元気ですね。

でも、弱いと元気がないです。

これは速い遅いとつながっているように思われるかもしれません。

ですが、細くてやわらかい弱そうな脈が、速く打っていることもあります、

ですから、ぱっと診た感じで、強い弱いを読み取って、体力の有る無しに分けます。

これにより、患者様の体に体力をつけるのか、またはリラックスをさせるのかなど全体的な方針を決めます。

体の声を聞くのが、脈診です。

以上簡単に説明しました。

これらが脈の状態で診察を行なう脈状診の基本的なところです。

脈状診では、血の粘り具合や脈管内の血のつまり具合など、さらに細かく診ます。

その他に、橈骨動脈のゆがみ具合で体内のバランスをみたり、脈の位置ごとの強さを相対的に確認して内臓の機能がどのようであるかを診ます。

脈診は、東洋医学の基本です。

これを診ずに、体力のない人に強めの刺激で治療をしてしまうと、患者様が脱力感におそわれるなどの症状が出てしまいます。

治療をする前に患者さんの体質をとらえながら、その日その瞬間の患者さんの状態を知って、治療する。

これが、東洋医学です。

また、治療後に脈診をもう一度行なうと、治療の仕上がり具合もわかります。

イライラするからリラックスしたいという患者さんの治療後の脈が、最初よりも速くなっていたら、リラックスできたとはいえませんよね。

このように、患者さんの声と共に、体の声を聞けるのが、東洋医学の脈診なのです。

舌診のご説明

脈診に次いで重要な診察法に舌の状態を診る「舌診」というものがあります。

舌は体質や内臓の状態を映し出す鏡です。

身体の調子によって舌の状態は変化します。

舌診で見る場所

舌は粘膜に覆われていて、血管もが多いので、血液と体液の量と質が反映します。

それを診ればいろいろなことがわかります。

舌診では、

・舌全体の色

・舌の形

・舌苔の形

・舌苔の色

を観察します。

体質と舌がどのような関係をもっているか簡単にご紹介します。

・健康な舌は、舌の色がピンクで薄く白い舌苔がのっています。

・冷え性の人は、舌の色が白っぽくて、舌苔も白いです。

・肌荒れ、吹き出物、湿疹がある人は、舌が赤くて、舌苔がやや厚く黄色いです。体が熱を帯びている証拠です。

・太りやすいひとは、舌赤くて、厚い舌苔があります。食べ過ぎで体がほてっています。

・むくんで水太りのひとは、舌が白っぽいくてぽってりとしていて歯型がついています。体が冷えていて、水分代謝が悪いことが現れています。

・のぼせ、月経前症候群の人は、舌が赤くて、舌苔が薄く黄色いです。そんなに食べ過ぎていないのに、体が熱を帯びて、胃腸も熱を帯びています。

舌は自分で観察できる場所です。

日ごろ見るようにして、体調管理に役立ててください。

健康な舌は、きれいな舌

舌を見て何が分かるの?とおっしゃる方もいるかと思います。

でも、人間の目って、なんとなくいろんなことを読み取っているんですよ。

その読み取っている感覚の一つに、きれいだとか、美しいなんていう美的感覚があります。

その美しさに対する感覚は、食欲につながったりします。

料理は目で味わう、なんていう言葉がそれですね。

目で見るという診察法にもこの感覚はとても大切です。

ちょっと変な話ですが、がん細胞なんて、もう見るからに恐ろしいものとして眼に飛んできます。

そのように人は、視覚で判別しているんです。

それは、受け入れられるものか、それとも、受け入れ難いものかを見分けているんです。

なぜ、このような話をしているかといいますと、

「健康な舌とは、きれいで美しい」

ということです。

きれいな舌の代表は、健康的な赤ちゃんの舌です。

舌がどうなっていたらどんな病気だとか勉強したくても、基準がなければ判断が出来ません。

やはり、健康的な舌を知っておかなければなりません。

それを知って、絶えずそれをイメージして、病気の舌を見れば、どこがおかしいかを見抜くことができるわけです。

では、どうやって、健康な舌を見ることが出来るのか?

それは、赤ちゃんや幼児の舌を見ることです。

柔らかそうなのに張りがあり、でも硬すぎず、きれいな色で美しい舌です。

舌診に興味がおありの方は、ぜひ、見せてもらってください。

そして、自分の舌と比べてみてください。

健康な舌を表現すると、東洋医学で理想的な舌の状態というのは、誰が見てもきれいで健康そうな舌ということです。

健康な舌というものをあえて言葉で表現してみますと・・・、

ピンク色で、

適度な潤いがあり、

白く薄い舌苔がまんべんなく生え、

張りがあって、

それでいて硬すぎない舌。

この健康的な舌を「淡紅舌の薄白苔」といいます。

これを基本に病の舌を見分けるわけです。

舌の色が薄ければ、冷えています。

赤ければ、熱を持っています。

舌苔が厚ければ、体内に未代謝の物質が残っている、またはカゼを引いています。

また、シミやムラも良くありません。

シミは血流が滞っているととらえます。

それを東洋医学では、「血お」や「お血」と呼びます。

このように東洋医学では、舌を見ることで患者さまの体を読み取ります。

鏡を使えば、患者さまにも舌を見ていただけるので、脈診とは違って視覚的に体の状態をご説明できる便利な診察法です。