東洋医学の診察方法

東洋医学の診察方法
-体の状態をいかに把握するのか?- 脈診と舌診

東洋医学の治療は、患者の体を総合的にとらえることから始まります。
人の体はその日によって受けているストレスが違います。
食べ過ぎて胃腸の調子を崩していたり、ウイルスに感染し風邪を引いていたり、寝不足で頭に血が上っていたり、また、仕事などで体が疲れていたりと、様々なストレスが人の体にのし掛かっています。

そうした日々の異なるストレスを早急に察知するために東洋医学の特徴的な診察法である「脈診」と「舌診」があります。この二つは東洋医療のにおける「四診」のなかで、当治療院が患者様の体の全体像を把握するために使用しているものです。

「脈診」では、主にとう骨動脈の状態を診察することにより、脈の打ち方や血管の曲がり具合で体のバランスを確認し、体全体の状況を判断します。脈の打ち方 は強いか弱いか、早いか遅いか、締まっているか緩んでいるか、場所は皮膚に近いか骨に近いか、脈の形は一定かバラバラか、曲がっているかまっすぐか、など を診ます。

また、「舌診」とは消化器の末端である舌を見ることにより、消化器の状況を知ることが出来ます。舌が湿っているか乾いているか、舌の上に乗っている苔は厚いか薄いか、舌の形はしまっているか緩んでいるか、舌の色は濃いか薄いか、などを診ます。

これらを使うことにより、患者自身が気づいていない体の状況を知ることが出来ます。

・患者は今どのようなストレスを受けているのか?
・中からの問題なのか?外からの問題なのか?
・患者が悩んでいる症状に直接関係しているのか?
・どのよう手順で症状の原因までアプローチすべきなのか?
・今日はどこまで治療を進めることが出来るのか?

「脈診」と「舌診」はあくまでも現在の状況を知るための方法ですから、それを時間軸に組み替えて把握する必要があります。
その日、患者がどのようなストレスを受けているかを考慮して治療を行うのと行わないのとでは、治療効果に大きな差が生じます。
ですから、「脈診」と「舌診」は毎回行い、今現在の状況を認識したうえで治療をほどこします。
東洋医学においては「脈診」と「舌診」は必要不可欠なものです。

<脈診>
主に左右のとう骨動脈の状態を診ます。
<腹診>
腹診も脈診と舌診に並ぶ重要な診察法です