足むずむず症候群

足のだるさは、胃腸のだるさ。

東洋医学では、そのようにいいます。

ですから、足のむずむずは胃腸のむずむずの場合が多いです。

足むずむず症候群

足むずむず症候群というのは、じっとしていると、足が「むずむずする」する症状です。

その感覚はさまざまで、「じっとしていられない」とか「ピンでなぞられているような」、「火照るような」、「虫が這っているような」などの異様な感覚に襲われます。

この感覚は、不快で苦しく、「脚の中を手でかき回したい」と思えるほどにいやな感覚です。

原因が見つからず、苦しんでいる患者さまは多いです。

 東洋医学では、足のどのラインに症状がでているかを診ます。

  • 前面なのか?
  • 側面なのか?
  • 内側なのか?
  • 後面なのか?

それによって、原因を振り分けます。

東洋医学では、それぞれのラインに意味があります。

また、左右にでも意味が変わってきます。

漠然とむずむずするというのではなく、どのラインなのか、左右ではどちらの症状が強いのか、そして、発症前の生活などとの照らし合わせを行ないます。

そうすることで、足むずむず症候群というひとくくりの症状を、患者さまごとに振り分け、治療を行ないます。

足の違和感の治療例

ある患者さまは、足の側面がむずむずとだるく感じ、いつも足を叩くということをしておられました。

この方は、坐骨神経痛も持っており、その治療を行なうと、症状が改善されます。

普段から、坐骨神経のラインを冷やさないように心がけていただくと症状はでなくなりました。

ほかの患者さまでは、足の前面、脛骨の外側の脛骨筋がむずむずと気持ち悪く感じていました。

この方は、胃腸が弱く、食べすぎるとこの症状がでることがわかりました。

胃腸の働きをよくする三里穴にしっかりとした刺激のある鍼治療を繰り返すことで、症状は軽減しました。

そして、食事の節制をお願いすることで、改善されました。

足の親指にだるい痛みを感じる患者さまでは、痛風でないことを確認したうえで、親指の内側か外側かを確認し、肝臓とかかわるラインに症状があるとして、治療を施しました。

鍼治療で治療を行い、アルコールや油ものの過剰な摂取を控えていただくことで症状の再発を抑えることができました。

このように、足のなんとも表現しがたい違和感としての症状も、東洋医学では発症の場所によって理由が違ってきます。

感じる場所、その感じ方を細かくうかがい、理由を想定して治療を行なうことが有効であり、再発を防ぐ治療につながるのです。