舌診と病の関係

東洋医学の舌診とは、舌の色や形、舌の苔の状態を観察して、体の状態や病気の原因を判断する診察法です。

舌は、体の内部と外部をつなぐ器官であり、五臓六腑や血液の状態が反映されます。

舌診は、東洋医学の四診(望診・聞診・問診・切診)の一つであり、約2000年以上の歴史があります。

舌診を行う際には、以下の要素に注目します。

舌体:

舌の色や形、湿度、動きなどを見ます。

舌体の色は、血液や気血の状態を示します。

例えば、淡白な舌は気血不足や陽虚を、赤い舌は熱邪や陰虚を、紫色の舌は血行不良や血瘀を意味します。

舌体の形は、水分や栄養の状態を示します。

例えば、ふっくらとした舌は水分過多や陰邪を、細くて小さい舌は水分不足や陽邪を、ひび割れた舌は乾燥や陰虚を意味します。

舌苔:

舌に付着する白いもしくは黄色い膜状のものです。

舌苔の色や厚さ、潤いなどを見ます。

舌苔の色は、体内にある病気の原因となるものの性質や程度を示します。

例えば、白い舌苔は寒邪や表層にある邪気を、黄色い舌苔は熱邪や深層にある邪気を意味します。

舌苔の厚さは、邪気の深さや持続性を示します。

例えば、厚い舌苔は深くて強い邪気を、薄い舌苔は浅くて弱い邪気を意味します。

舌だけでなく、総合的に判断

以上のように、舌診では、舌体・舌苔の要素から体の状態や病気の原因を診断します。

しかし、舌診だけで判断するのではなく、他の四診とも併せて行うことが重要です。

また、個人差や時間帯などによっても舌の変化があるため、注意が必要です。