治療のためにバランス力を鍛える
鍼灸治療とアート鑑賞の関係について、今日はお話ししたいと思います。
バランスを整えるのが東洋医学
鍼灸治療を行う際、患者の体のバランスを診ることが大事です。
体のバランスとは、気血水の調和や陰陽の均衡など、東洋医学でいうところの健康の基準です。
そして、治療後にそのバランスの出来不出来を確認できる能力が必要です。
その能力を養うのに、アート鑑賞は有効だと私は考えています。
アート鑑賞って、何をしてるの?
アート鑑賞は、絵画や彫刻などの芸術作品を見て、その美しさや意味や感動を感じることです。
アート鑑賞をすることで、視覚や感性が磨かれます。
また、作品に対する自分の感想や評価を考えることで、思考力や表現力も高まります。
これらの能力は、鍼灸治療にも役立ちます。
バランス力とは、分けて認識し、調和を探すこと
例えば、絵画を見るときには、色彩や構図や筆致などの要素に注目します。
それらの要素がどのように組み合わさって、全体のバランスが作られているかを分析します。
そして、そのバランスが自分にとって美しいかどうかを判断します。
これは、患者の体を見るときにも同じことができます。
肌色や姿勢や筋肉などの要素に注目し、それらがどのように組み合わさって、体のバランスが作られているかを分析します。
そして、そのバランスが健康的かどうかを判断します。
また、彫刻を見るときには、立体的な形や質感や光影などの要素に注目します。
それらの要素がどのように配置されて、空間的なバランスが作られているかを分析します。
そして、そのバランスが自分にとって美しいかどうかを判断します。
これは、患者の体に触れるときにも同じことができます。
骨格や関節や筋膜などの要素に注目し、それらがどのように配置されて、体内的なバランスが作られているかを分析します。
そして、そのバランスが健康的かどうかを判断します。
このように、アート鑑賞をすることで、鍼灸治療に必要な視覚的・空間的・触覚的なバランス感覚を養うことができると、思います。