脈診は季節によって変化
東洋医学では、人間の体は自然界と密接に関係しており、季節の変化によって体内の気血水のバランスが変わると考えられています。
そのため、脈診を行う際には、季節に応じて脈の状態が変化することも考慮しなければなりません。
季節と脈診の関係
一般的に、
春は木の気が盛んで、肝臓の働きが活発になります。この時期の脈は、弦脈と呼ばれる細くて強い脈です。
夏は火の気が盛んで、心臓の働きが活発になります。この時期の脈は、浮脈と呼ばれる浅くて大きい脈です。
秋は金の気が盛んで、肺の働きが活発になります。この時期の脈は、毛脈と呼ばれる細くて浅い脈です。
冬は水の気が盛んで、腎臓の働きが活発になります。この時期の脈は、沈脈と呼ばれる深くて細い脈です。
季節に応じて脈状が変わるのは正常
これらの季節的な脈の変化は、正常な状態であっても起こるものであり、必ずしも病気を意味するわけではありません。
むしろ、季節に合わない脈を見つけた場合には、体内に異常がある可能性が高いと判断されます。
例えば、春に沈脈を見つけた場合には、肝や胆に問題があるかもしれません。
夏に弦脈を見つけた場合には、心や小腸に問題があるかもしれません。
秋に浮脈を見つけた場合には、肺や大腸に問題があるかもしれません。
冬に毛脈を見つけた場合には、腎や膀胱に問題があるかもしれません。
人は季節に応じ、脈も変化
東洋医学の脈診では、季節に応じて脈が変化することも考慮しなければならないのです。
人の体が自然界と調和しているかどうかを判断するための重要な手がかりとなります。