過敏性腸症候群・下痢・軟便の鍼灸治療
-腸を温める治療-
消化器系の症状は、その人が生まれつき持っている体質と深く関係しています。
主に消化器系の弱っているところをいじめるような食生活を行っているのが原因です。
まずは体の弱いところを探し、その部分を強めることと平行してそこをいじめている原因を除去していきます。
「慢性の軟便・下痢」は、消化器系の弱りが原因である場合が多く、特に水分代謝障害であると考えていただければいいと思います。
本来であれば、吸収されるべき水分が吸収されず、消化器内に残ります。
それにより、便が柔らかくなっているのです。
東洋医学においては、水分をコントロールするのは熱です。この熱が少ないと水分は吸収されにくくなります。
ですから、冷たいものなどを多量に摂取すると、熱が奪われ下痢を起こしてしまいます。
まず、消化器が暖まるような治療を鍼灸などで行い、普段の生活においては冷たい食べ物は避けて頂かなければなりません。
東洋医学で便を固める
治療方法としては、主に下腹部が温まるツボを使い、治療します。
また、背部は腰というより、背中部分『脾ゆ』というツボを使えると効果的です。
ツボを使わなくても、常に下腹部にタオルを当てておくというのも、良い方法です。
古くからある方法として、「片栗粉湯」というものもあります。
「片栗粉」をお湯で溶いて飲むと下痢が止まるというもので、子どもの下痢対策には大変に有効な方法です。
砂糖を加えて飲むと、トロリとして甘くておいしいですよ。
「片栗粉」を食すと下痢が止まるということは、とろみが付けられた中華料理などは便秘の原因になる可能性があるということです。
ご注意下さい。
ずっと軟便の状態が続いていて、それが自分の体調としては当たり前と思っておられる方も多いようですが、それが続けば間違いなく体力は低下していきます。
まずは、ご自分の体質を知って、無理のない食生活を心がけてください。