体内の水分は熱量によって巡らされている?
東洋医学では体内の水分は熱量によって巡らされていると考えます。
基本的な概念である「気血水(きけつすい)」から、体内の水分と熱量の関係についてです。
気血水とは?
気血水とは、東洋医学で人体を構成する3つの要素です。
気(き):生命エネルギー、活動力、目に見えないエネルギーの流れ
血(けつ):血液、栄養、全身を巡り栄養を運ぶ
水(すい):体液、潤い、体を潤し冷ます
この3つは互いに関係し合い、バランスを取りながら体内を巡ることで、健康な状態が保たれると考えられています。
体内の水分と熱量の関係
東洋医学では、体内の水分(水)は熱量(気)によって巡らされていると考えます。
「気」は熱を生み出し、「水」を温めます。温められた「水」は体内を上昇し、全身を潤します。 そして、不要な水分は汗や尿として体外に排出されます。
この「気」の働きが活発であるほど、「水」の巡りも良くなると考えられています。
熱量が不足するとどうなるの?
「気」が不足すると、熱量が低下し、「水」を温めることができなくなります。 すると、「水」は体内に滞り、様々な不調を引き起こします。
【水滞(すいたい)の症状例】
むくみ
冷え
吐き気
食欲不振
下痢
関節痛
めまい
また、「気」が不足すると、「血」の巡りも悪くなり、貧血や冷えなどの症状が現れることもあります。
水分過剰も問題?
東洋医学では、水分を摂りすぎることも問題だと考えます。
水分を摂りすぎると、体内の「気」が薄まり、熱量が低下します。 すると、「水」がうまく巡らなくなり、上記のような水滞の症状を引き起こすことがあります。
適切な水分補給とは?
では、どのように水分補給をすれば良いのでしょうか?
【水分補給のポイント】
こまめに少量ずつ:一度に大量の水分を摂るのではなく、こまめに少量ずつ摂る
温かい飲み物:冷たい飲み物は体を冷やしてしまうため、温かいお茶や白湯などがおすすめ
運動時:運動する際は、運動前、運動中、運動後にこまめに水分補給をする
発汗量:汗をかいた量に合わせて水分量を調整する
鍼灸治療で気血水の巡りを整える
鍼灸では、気血水の巡りを整え、体内のバランスを回復させることを目的としています。
「気」の流れを調整し、体を温めることで、「水」の巡りを改善することができます。
まとめ
体内の水分は、熱量によって巡らされています。 水分が不足したり、過剰に摂取したりすると、熱量が低下し、体内の巡りが悪くなってしまいます。
健康な状態を保つためには、適切な水分補給を心がけ、体を温めることが大切です。
