舌を見るといろいろなことがわかります。
一度、他の人の舌と見比べてください。
色や形が様々なことがわかりますよ。
東洋医学:舌を見て分かること
中医学の診察では患者さんの舌と脈を診ます。
この二つは、中医学ではとても大切な診察方法です。
舌で何がわかるんですかと聞く患者さんもおられます。
この舌診というのは、これだけでも大変な情報量で、何冊もの本になるほどのものなのです。
1.舌は内臓の表れ
舌は外から診れる内臓の一部です。
体表面の皮膚と異なり、舌の表面は粘膜で覆われています。
昔の人は体内の状態をいかに診ようかと考え、舌を診るようになったのでしょう。
また、舌は体内変化を反映しやすいものでもあったのです。
ですが、局所的な病変はわかりません。
しかし、舌から内臓全体の機能や傾向を読み取ることができます。
東洋医学的に体質や病状を診断することができるのです。
2.舌を診るポイント
舌ではいろいろな場所を診ます。
主なポイントは、
舌形(ぜっけい)・・・舌の大きさや形
舌苔(ぜったい)・・・舌のた苔の状態
舌質(ぜっしつ)・・・舌の自体の状態
の3つです。
これらの状態を組み合わせることでいろいろなことがわかります。
考え方としては、舌を消化管の末端と捉えると良いでしょう。
つまり、
舌形(ぜっけい)・・・消化管の厚みなど
舌苔(ぜったい)・・・消化管内壁の状態など
舌質(ぜっしつ)・・・消化管の血流状況など
と考えることができます。
それ以外に、舌のいろいろな箇所に各内臓の反応が出るともされておりますので、舌というものからいろいろいなことが読み取れるのです。
3.舌診の例
舌に分厚い苔が載っているとします。
これは、消化が追いつかず、食べ物がたくさんお腹に残っていると判断します。
東洋医学では「食積」という消化不良の状態です。
ですから、東洋医学からすると、舌苔の厚い人は口臭がして当然なのです。
こういう人は、舌の苔を削り取らなくても、消化力にあった食事にすれば、苔は簡単にうすくなります。
もちろん、治療で消化力を上げるのが効果的です。
また、舌質で斑点が見られる人がいます。
これは血おといわれる体質を表します。
血流が滞っていることを意味します。
理由はさまざまですが、長い年月をかけてできてきたものです。
血の流れが良くないと、女性の体には悪影響をあたえます。
生理痛などが強く出ることもありますし、生理不順に陥ったりします。
あと、歯形が付いているような人もよく見られます。
これは、水分代謝が悪く、舌が浮腫んでしまっているのです。
もちろん、舌だけでなく、消化管も同じような状態でしょう。
このような人は体内に湿気が溜まっており、それが冷えの原因となります。
実際に冷え症とかむくみやすいといった症状をもっていることが多いです。
4.最後に
ここまで書いてきましたように、舌には様々な変化があらわれます。
また、いつも同じではなく、常に変化しています。
舌は自分で診ることもできるので、舌診とても便利なものです。
時々ご自分で見て、体の変化を見るのも良いのではないでしょうか。