「食飲有節」という言葉 / 西宮市甲子園の鍼灸院
「食飲有節」とは、食事の量や質、時間などに注意して、健康に良い食生活を送ることを意味します。
この言葉は、中国の古典医学書である『黄帝内経素問』に書かれているもので、現代でも多くの人に参考にされています。
『黄帝内経素問』は、伝説上の中国の初代皇帝である黄帝とその臣下である岐伯との対話形式で構成されており、人間の生理や病気、治療法などについて詳しく説明しています。
この中で、「食飲有節」は、人間の健康を保つために重要な要素として強調されています。
食事の節度とは? / 西宮市甲子園の鍼灸院
「食飲有節」の具体的な内容を現代の生活にあてはめて考えてみましょう。
- 食事は一日三回、朝昼夕と決めて摂ること。
- 夜遅くの食事は控えること。
- 食べ過ぎたり食べ足りなかったりしないこと。
- 食事の量は、自分の胃の容量の七分目程度にすること。満腹になると消化不良や肥満などの原因になる。
- 食事の質は、五味(甘・酸・苦・辛・塩)を均等に摂ること。偏った味付けや偏食は体内のバランスを崩す。
- 食事の時間は、季節や気候に応じて調整すること。夏は暑くて食欲が減るので消化しやすいものを食べ、冬は寒くて消費カロリーが必要なのでいので多めに食すこと。
- 適切な水分量を摂取すること。季節や生活に合わせて調整。
- 感情を安定させて落ち着いて食べること。怒りや悲しみなどの強い感情は消化器官に悪影響を及ぼす。
- 適度な運動をすること。運動は消化を促進し、血液や気(エネルギー)の流れを良くする。
などなど。
その他にもたくさんの節度があると思います。
書き出すとキリがありません。
自分の体質に合った健康を引き寄せる食の節度
そして、食の節度は、個人個人で違います。
自分の体質に合わせ、食べる量や種類など調整しなければなりません。
人によって消化吸収能力や代謝率、運動量や生活習慣などが異なるからです。
例えば、同じ量の食事をしても、太りやすい人と太りにくい人がいます。
また、同じ食品でも、アレルギー反応を起こす人と起こさない人がいます。
自分に合った食の節度を見つけるためには、自分の体の状態や反応を観察したり、専門家に相談したりすることが大切です。
現在も有効な「食飲有節」の考え方
以上のように、「食飲有節」は、現代医学でも支持される合理的で科学的な食生活の原則です。
『黄帝内経素問』では、「食飲有節」を守ることで、病気を予防し、寿命を延ばし、若々しく美しくいられると約束しています。
「食飲有節」を参考にして、自分に合った健康的な食生活を見つけてみましょう。