節度ある食事とは?

「食飲有節」という言葉 

「食飲有節(しょくいんゆうせつ)」という言葉をご存知でしょうか?

これは、食事の量や質、時間などに注意して、健康に良い食生活を送ることを意味する言葉なんです。実は、古い中国の医学書である『黄帝内経(こうていだいけい)』に書かれている教えで、今でも私たちの健康にとって大切な考え方として受け継がれています。

『黄帝内経』は、伝説の皇帝・黄帝と、お医者さんの岐伯(きはく)との対話形式で、体のこと、病気のこと、そしてその治療法などが書かれた、まさに医学のバイブルのような書物です。その中で「食飲有節」は、私たちが健康でいるために、食事の節度がとても大事と強調されているんですよ。

食事の節度とは?

では、「食飲有節」という考え方を、現代の私たちの生活に当てはめてみると、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか? ちょっと具体的に考えてみましょう。

食事は一日三回、時間を決めていただくのが基本です。朝ごはん、昼ごはん、晩ごはん、できるだけ毎日同じくらいの時間に食べるように心がけましょう。

夜遅くの食事は、できるだけ控える ようにしましょう。寝る前にたくさん食べると、胃腸に負担がかかってしまいます。

食べ過ぎも、食べ足りないのも良くありません。腹八分目を意識して、適量をいただくようにしましょう。

食事の質も大切! 甘味、酸味、苦味、辛味、塩味の五味をバランス良く摂ることが理想です。偏った味付けや、いつも同じものばかり食べるのは、体の中のバランスを崩してしまうことがあります。

季節や気候に合わせて少し調整してみましょう。暑い夏は食欲がないこともあるので、消化の良いものを中心に。寒い冬は、体が温まるものを少し多めに摂るのも良いかもしれませんね。

適切な水分補給も忘れずに。季節やその日の活動量に合わせて、こまめに水分を摂りましょう。

リラックスして、落ち着いて食事をすることも大切 です。イライラしたり、悲しい気持ちで食事をすると、消化器官にも良くない影響があると言われています。

適度な運動は、食生活とセットで考える とさらに効果的です。運動は、消化を助け、血液や体の中のエネルギーの流れをスムーズにしてくれます。

もちろん、この他にも色々な「節度」があると思います。

自分の体質に合った健康を引き寄せる食の節度

そして、大切なポイントなのですが、食の節度は、一人ひとり違うんです。

体質によって、消化吸収の力や、エネルギーを使う量、普段の運動量や生活習慣などが違うからです。

例えば、同じ量の食事をしても、すぐに体重が増えてしまう方もいれば、なかなか太らない方もいますよね。同じ食べ物でも、アレルギーが出てしまう人もいれば、全く平気な人もいます。

だからこそ、自分に合った食の節度を見つけることが、健康への近道です。そのためには、ご自身の体の状態や、食べた後の体の反応をじっくり観察したり、私たちのような専門家に相談してみるのも良いかもしれません。

現在も有効な「食飲有節」の考え方

このように、何千年も前の教えでありながら、現代医学でもその合理性や科学的な側面が認められています。

「食飲有節」を守ることで、病気を予防し、長生きでき、そして若々しく美しくいられるとも言われているんです。

ぜひ、「食飲有節」の考え方を参考に、ご自身に合った、心地よい健康的な食生活を見つけてみてくださいね。

何か食生活について気になることや、体調のことでお悩みがあれば、いつでもご相談ください。