不正出血の原因はさまざまで、明確な理由のないものも多いです。
不正出血とは
不正出血というのは、月経周期のうち生理の期間以外に出血するものをいいます。
不正出血の患者さまは、「月経不順」「おりもの異常」と並んで多いです。
原因はさまざまで、西洋医学で理由が明確になるものもありますが、理由がわからないものもあります。
女性の月経周期は、大変に繊細なもので、生理周期が大きく狂ってしまい、通常の生理時期が早まったり、遅れたりするなどで、それが不正出血に見えることもあります。
その場合は、月経周期を整えなければなりません。
また、月経周期は正常なのに、生理周期以外に出血してしまうものは、間違いなく不正出血ですから、出血を止める治療を行なわなければなりません。
東洋医学では、体が血をコントロールできなくなっている症状を「不統血(とうけつ)」と呼びます。
これは、消化器系が関与しているとされており、すい臓の働きが悪いのが原因とされます。
これを合わせて、「脾の不統血(ひのとうけつ)」と呼びます。
脾不統血の治療
脾不統血の治療は、「血海穴」や「石門穴」、「三陰交穴」などを使用します。
「石門穴」は下腹部にあるツボで、ここが冷えて緩んでしまうと、不正出血が発症するとされます。
ですから、下腹部を冷やさないようにすることが大切です。
また、カイロなどであたためるのも良いでしょう。
ですが、下腹部は皮膚が薄く、繊細な場所なので低温火傷になりやすいです。
不正出血の患者さまなどは、冷えすぎていて感覚が鈍っていて、熱さを感じなくなっていることもあります。
まずは、カイロで温めるよりも、腹巻などで保温して、その上から加温療法をするようにしましょう。
腹巻ではなく、ハンドタオルなどを直接下腹部に当てるのも良いです。
カイロを使うときは、皮膚から距離を取れる使い方をしましょう。
脾不統血では、不正出血以外でも、原因不明の青あざがよくできるという人にも当てはまります。
足を見ると、ぶつけた覚えも無いのに内出血。
そんなことはありませんか?
こんな症状も、脾不統血ととらえます。
毛細血管で不統血が起こっているということですね。
西洋医学での不正出血の原因
さて、西洋医学での不正出血の原因も知っておく必要があります。
内臓に器質的異常があれば、それは脾不統血ではなく、傷による出血と東洋医学でも判断します。
ですから、一度婦人科で診察を受けておくべきです。
器質的異常が見つからなければ、機能的異常として、出血しない体質に作り変える鍼灸治療が有効です。
妊娠を希望しておられる方も診察は受けておきましょう。
出血というのは、妊娠ではとても悪いことです。
出血しない子宮作りをしておかなければなりません。
不正出血の原因がわからない場合は、鍼灸などで治療をされることをおすすめします。
また、閉経後の出血には注意しましょう。
閉経後に生理出血することは少ないので、出血が見られたら婦人科での診察を受けましょう。