鍼灸の不眠症への効果

鍼灸で自律神経などを調整

鍼灸とは、鍼や灸を用いて体表の特定の点(ツボ)に刺激を与えることで、身体のバランスを整える東洋医学の一つです。

鍼灸は、西洋医学では説明できない不定愁訴や慢性的な症状に対して効果的な治療法として注目されています。

鍼灸は、不眠症にも有効な治療法として知られていますが、そのメカニズムはどのようなものでしょうか?

鍼灸の不眠症への効果とその理由

鍼灸が不眠症に効果的な理由として、以下の3つが考えられます。

自律神経系の調整

自律神経系は、心臓や血管、内臓などの働きを自動的に制御する神経系です。

自律神経系には交感神経系と副交感神経系という2つの部分があります。

交感神経系は、ストレスや危険に対応して身体を覚醒させる働きをします。

副交感神経系は、リラックスや回復を促す働きをします。

睡眠は副交感神経系が優位になることで促されますが、ストレスや不安などで交感神経系が過剰に活性化すると、睡眠に入りにくくなります。

鍼灸は、ツボに刺激を与えることで自律神経系のバランスを整え、交感神経系の過度な活動を抑えて副交感神経系を優位にすることができます。

これにより、身体がリラックスし、睡眠へと導かれます。

ホルモンバランスをととのえる

睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、脳内の松果体から分泌されるホルモンです。

メラトニンは、昼夜のリズム(サーカディアンリズム)を調節する役割を持ちます。

メラトニンは暗闇に反応して分泌されるため、夜間に分泌量が増えて睡眠を促します。

しかし、光やノイズなどの外的刺激や、加齢やストレスなどの内的要因によってメラトニンの分泌が低下すると、睡眠の質や量が悪化します。

鍼灸は、ツボに刺激を与えることでホルモンバランスをととのえる働きがあります。

これにより、睡眠のリズムがととのえ、深い睡眠に入りやすくなります。

精神的な安定

不眠症は、精神的なストレスや不安が原因で起こることも多くあります。

不眠症になると、さらにストレスや不安が増幅されるという悪循環に陥ることもあります。

鍼灸は、ツボに刺激を与えることで脳内のエンドルフィンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を増やすことができます。

これらの神経伝達物質は、気分を高めたり、痛みを和らげたりする効果があります。

鍼灸によって精神的な安定が得られると、不眠症の原因となるストレスや不安が軽減され、睡眠に入りやすくなります。

以上のように、鍼灸は不眠症に対して多方面からアプローチすることができる治療法です。

鍼灸は副作用が少なく、個人差はありますが即効性も期待できます。

不眠症に悩む方は、一度鍼灸を試してみることをおすすめします。

不眠症は放置しない

不眠症とは、睡眠の質や量が低下し、日中の活動に支障をきたす状態のことです。

不眠症にはさまざまな原因がありますが、ストレスや生活習慣の乱れ、身体的な病気や精神的な障害などが挙げられます。

不眠症は、睡眠不足による倦怠感や集中力の低下、免疫力の低下や高血圧などの生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、うつ病や不安障害などの精神的な問題を引き起こす可能性もあります。

そのため、不眠症は放置せずに適切な治療を受けることが重要です。

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鍼灸治療はすべての方に当てはまるわけではございません。ご自身の症状や体調に不安がある場合は医師や専門家にもご相談ください。この記事は一般的な情報となっております。

この記事を書いた人
西宮市の鍼灸院 甲子園鍼灸治療センター

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