不妊と睡眠
当院で不妊治療で受けられている方で不眠を訴えられる方が多くみられます。
不妊に悩み、精神的ストレスから不眠傾向があらわれるのですが、東洋医学では不眠は生理周期の低温期を不安定にさせ、卵子の発育に良くありません。
睡眠と卵子の関係
不妊治療を受けておられる方はご存知かと思いますが、卵子は生理周期の低温期に育ちます。
睡眠は体の余分な熱を取り除くのに必要とされているものなので、不眠になると体に熱がこもり低温期が乱れてしまいます。
今、このような不妊治療中の不眠に悩まされる患者様は多く見られます。
特に遅くまでお仕事をなさっている人に多いです。
また、不妊治療で悩み、精神的なストレスでも眠れない方もおられます。
妊活に良い睡眠が大事なのはわかっているのに眠れず、皆さん悩んでおられます。
不妊治療と不眠の種類
不眠の症状としては、
・寝付きが悪い
・途中で目覚める
・身体が疲れすぎて眠れない
・胸やお腹が苦しくて眠れない
など様々です。
このような状態による睡眠障害がホルモンバランスの乱れの原因となってしまいます。
大きく2つに分けることができます。
・精神的ストレス
・身体的ストレス
不眠で悩みすぎて眠れないというものが「精神的ストレス」に当たります。
仕事で忙しい、妊活で忙しいなど体の疲れが「身体的ストレス」に当たります。
また、食事の不摂生などで消化器系がつかれているなどもあり、これも「身体的ストレス」に当たります。
不眠の根本的な体質が問題
こういった不妊治療中の不眠には、体質的な不眠が原因のことが多いです。
その体質が妊活の疲れによって悪化し、不眠の傾向が強くなります。
不眠は、良い卵子を育てるのを邪魔しますので、不妊治療と並行して治療しておくべき症状です。
不眠の鍼灸治療では、
・精神的イライラを治療するのに「行間穴」
・イライラによるのぼせに「百会穴」
・のぼせを取ってリラックスさせるのに「申脈穴」
・精神不安に「神門穴」
などを使います。
養生法としては、
・寝る前にゆっくりとお風呂につかり一日の疲れを取る
・ウォーキングなどで足を動かしリラックスする
・夜9時以降の食事はやめて、胃腸もしっかりと寝かせてあげる
・体内時計をリセットするため、朝食はしっかり食べる
などです。
夜はネットをしない。
そして、とても大切なことが一つ。
『寝る前にスマホやPCなどの画面でブルーライトを見ない』、ということ。
妊活中は不安からどうしても夜遅くにネット検索しがちです。
そうすると、寝る前なのに頭を使いのぼせてしまい、しかも不安も高まり、これを続けるとどんどんと不眠になっていきます。
また、画面のブルーライトは強い光刺激なので、脳を覚醒させてしまい、また眠れなくなります。
夜のネットはやめましょう。
部屋を暗くして、リラックスし、寝ることに集中しましょう。
最初は寝にくくても、だんだん眠れるようになります。
規則正しい生活と眠れる環境作り、これが不妊治療ではとても大切です。