不妊と生理不順
不妊症の治療を行なうにおいて、生理不順は放置しておけない症状です。
排卵、受精、妊娠という三段階は、生理周期の中で起こります。
妊娠というのは、高温期に起こるわけですが、排卵は低温期の最後で起こります。
つまり、生理周期の低温期と高温期ともに、大事な期間ということです。
ですから、この生理周期が乱れれる生理不順は、不妊治療で対処すべき大きな問題です。
生理不順はホルモンのアンバランス
生理周期がきちんと行なわれるためには、女性ホルモンが正常に分泌されている必要があります。
ですから、生理不順の原因として、女性ホルモン不足が考えられます。
正しい生理周期のためには、脳と卵巣の伝達がうまく行なわれ、卵巣内で卵が育ち、ホルモンがきちんと放出される必要があるのです。
ところが、卵巣の調子が悪いとそれが上手くいかず、女性ホルモンがうまく出ないのです。
ホルモンが十分に出ていないと生理不順におちいってしまいます。
卵巣が不調の原因は、
・精神的なストレス
・冷え性
・不規則な食生活
・不眠
などが考えられます。
また、脳の視床下部や下垂体などがうまく働かないため、卵巣への指示がうまく行なえず、ホルモンが低下することがあります。
多くの原因はストレスです。
環境変化や人間関係などのストレスを感じると、機能が低下し、脳から卵巣への命令が不十分になってしまうことがあるのです。
その他に、無理なダイエットも大きな原因です。
ダイエットも脳にストレスをかけてしまうのです。
無理なダイエットにより生理が止まってしまったものを「体重減少性無月経」といいます。
生理周期を整えるために
原因不明の生理不順は多いです。
高プロラクチンや甲状腺異常などは薬でコントロールしていく必要があります。
ですが、そういう西洋病名が付けられないものは、生活環境に問題があることが多く、体質改善と共に生活パターンを改善していく必要があります。
最近、環境が変わったりしていないか、急に体重が減っていないか、生活がきつくないかなどを考えなければなりません。
また、継続的ストレスが長期にかかっていると、原因を見つけ出すことが難しくなります。
その際は、患者さまの体質を読み取り治療しつつ、それに合わせて様子を見ながら生活環境を少しづつ変化させていかなければなりません。
知らず知らずのうちにかかっているストレスが、脳と卵巣の働きを押さえ込んでいることが多いのは前述したとおりです。
まずはご自身で判断せず、専門家に相談をしましょう。
生理周期が正確にめぐること、これが不妊治療では大切なことです。