不妊治療:受精卵は、温かいのが好き。

当院の不妊治療は、生理周期に応じたものになっています。

大まかには、低温期と高温期に分けて考えます。

卵は温めて孵します。

受精卵にとって高温期はとても大切です。

というよりも、受精卵は高温期の時しか子宮内にはいませんよね。

低温期の最後に排卵が起こり、そして、高温期で卵が孵るわけですから。

卵や精子に問題は無いのに、なぜか妊娠しないというのは、高温期に問題があることが考えられます。

また、妊娠後も高温期が続きますので、不育症の方とも関係があると考えられます。

受精卵がお腹にいる患者さまには、

「鶏は卵を温めて返しますよね。

今、卵をお腹に抱えていて、自分の体温だけでその卵を孵そうとしているとイメージして、体をあたたかく保ってください」

とお伝えしています。

それぐらいの慎重さを持っていただきたいと思っています。

卵は温かいのが好き

このように、卵が孵ることと高温期には密接な関係があります。

そして、卵の着床だけではなく、不育症でお悩みの方にも、着床後の高温期維持を意識し続けてもらいます。

『足先』を触ってみてください。

ここが冷たいと、やはり、体も冷えていることが多いです。

その他に、『お腹』と『腰』、そして『お尻』も確認しましょう。

もし、冷たくなっていたら、温めましょう。

子宮がそんな冷たいものに囲まれていては、その中にいる卵がかわいそうです。

卵は、温かいのが好きなのです。

だからこそ、受精卵を受け入れる時期の女性の体は高温期なのでしょう。

ならば、しっかりとした高温期を作りましょう。

高温期を作るための温め方

では、きれいな高温期を作るためにはどのようにすれば良いのでしょうか?

おすすめは、やはり、温めることです。

温める場所は、まずは『腰』。

そして、『仙骨』。

『下腹部』も温めましょう。

そして、『お尻』ですね。

その他には、『膝』の外側。

あとは、『足首』です。

ここまで温めると『足先』も温まってきます。

『足先を温める』というより、『足先が温まる温め方』をしましょうということです。

温めるのに使うのは、腹巻、毛糸のパンツ、温まるサポーター、レッグウォーマーなどです。

冷えがひどければ、使い捨てカイロも合わせて使いましょう。

もちろん、お風呂での半身浴もお忘れなく。

鍼灸で温まるツボ

高温期のための不妊鍼灸治療では、体が温まりつつ、高温期維持に有効なツボを使います。

この治療を続けることで、高温期が正常になり、妊娠しやすい体になります。

ツボとしては、三陰交穴。

婦人科治療では有名なツボですね。

これは主に左側を使います。

そして、太衝穴。

これは体内の血流を良くする働きがあり、それによって、高温期に良い効果があります。

そして、背中の脾ゆ穴。

これは消化機能が良くなり、体が温まります。

足の脛にある三里穴も同じ効果があります。

そして、仙骨上にある八個のツボ、八りょう穴。

主にこれらを使い、高温期が正常におとずれて、それが維持される体作りをします。

今の時代は、誰もが冷たいものをたくさん飲み、お風呂につからずシャワーだけ、そして、薄めの服装でひどいときには腰を出すファッションをしている人も多く見かけます。

これでは、お腹や腰が冷え切っていて、もし受精卵が子宮に来ても、それはそれは寒いことでしょう。

卵を受け入れる体作りのために普段から冷やさないようにして、しっかりと温めましょう。

---

本記事は、鍼灸に関する一般的な情報であり、特定の症状や体質の方に適しているとは限りません。ご自身につきましては、専門家や医師にご相談ください。

---

ブログ
甲子園鍼灸治療センターをフォローする