伝統医療には、脈診という診察法があります。
脈の状態で、患者の体がどのような状態であるかを診る方法です。
体の状態というより、傾向という表現でも良いかも知れません。
脈診の中で「脈状診」という、手首の脈がどのような状態かということで、体内の循環物を読み取ることが出来ます。
その脈状の中に「緩脈」という脈の形があります。
読んで字のごとく「緩い脈」ということです。
脈が緩いというと、脈拍が遅いのかな?
、と思う人もいるかと思いますが、この「緩い」というのは、脈管の話です。
緩い脈管になっている、ということなのです。
では、なぜ緩いのかというと、脈管が浮腫んでいると考えます。
血管内の水分が多すぎて、脈管も浮腫んでしまい柔らかくなり、緩くなっていると考えるのです。
また、脈管は筋肉ですから、脈管に元気が無くても緩んでしまうということも出来ますが、そうすると相対的に体内水分も増えてしまい。
結局、浮腫むと考えられています。
この脈の形をした人は、足に浮腫みが出ている人が多いです。
足の浮腫みは、足首を指で押すとぽこっとへこんで、なかなか戻り戻らないような状態になっているということです。
この浮腫みは、体内の水分が代謝されていないわけですから、水をコントロールするための熱量を足して上げる必要があります。
これがうまくいくと、足がぐっと引き締まり、脈も一緒に引き締まってくれます。
でも時々、嫌な脈をしている人がいます。
それは、緩い脈が早く拍動している人です。
これは余分な水分が体内で熱化してしまっているのです。
こういう場合は、まずは熱を持った水を捨ててしまわなければなりません。
このように、脈の状態を診ることで、治療の方向性が見えてくるのです。