東洋医学の代表、漢方薬と鍼灸
漢方薬と鍼灸は、どちらも東洋医学の代表的な治療法です。
しかし、その違いを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、漢方薬と鍼灸の理論や診察法が同じで、治療法が違うということを説明します。
共に気血水、経絡をととのえる
漢方薬と鍼灸は、どちらも陰陽五行説や経絡説という東洋医学の基本理論に基づいています。
陰陽五行説とは、万物は陰と陽の二つの相反する力によって成り立ち、五行(木・火・土・金・水)という五つの要素に分類されるという考え方です。
経絡説とは、人体には気血や津液などの生命エネルギーが流れる経絡という流れがあり、その流れやバランスが崩れると病気になるという考え方です。
漢方薬と鍼灸は、どちらも病気の原因を経絡のバランスの乱れに求めます。
診察法も同じ
そのため、診察法も同じです。
主に四診(望・聞・問・切)と呼ばれる方法を用います。
望診とは、患者の顔色や舌苔などを観察することです。
聞診とは、患者の声や呼吸音などを聞くことです。
問診とは、患者の症状や生活習慣などを問うことです。
切診とは、患者の手首の脈を触って判断することや、体を直接触ることです。
これらの方法によって、患者の体質や気血津液のバランスを把握します。
薬と鍼灸どちらを使うかの違いだけ
漢方薬と鍼灸は、理論や診察法が同じでも、治療法が異なります。
漢方薬は、動植物や鉱物などから作られた薬剤を内服することで、体内の気血津液のバランスを調整します。
鍼灸は、経絡に沿って特定のツボに鍼を刺したり温めたりすることで、体内の気血津液の流れを改善します。
漢方薬は、一般的に長期間服用する必要がありますが、副作用が少なく安全です。
また、患者の体質や症状に合わせて処方されるため、効果が高いと言われています。
鍼灸も副作用が少なく、効果は早いとされています。
また、副作用が少ないため慢性的な病に長期間の治療を施すこともできます。
漢方薬と鍼灸のまとめ
漢方薬と鍼灸は、東洋医学の理論や診察法が同じで、治療法が違うということが分かりました。
どちらも病気の原因を経絡のバランスの乱れに求め、体内の気血津液の調和を目指します。
漢方薬は、内服することで体内から治療します。
鍼灸は、ツボを刺激することで体外から治療します。
自分に合った方法を選ぶことが大切です。