鍼灸治療を希望される患者さんの中には、飲んでいる薬の量を減らしたいというご要望がよくあります。
もちろん、やめることができない薬も多いですから、すべてにお応えできるわけではありません。
ですが、精神安定剤や睡眠導入剤、鎮痛剤など、治療薬ではなく、症状を抑える薬というのは、減らすことができることが多いですね。
こういった症状を抑える薬は、根本原因が明確でないか、もしくは、それを治療できない場合に処方されていることが多いのです。
鍼灸治療で症状を緩和、もしくは根本治療ができれば、飲む必要がなくなります。
今、精神安定剤を飲んでいる方は多く、こういった方々は、精神不安を起こす原因を除去できないため、長い間というか精神が安定するまで、ずっと飲み続けることになります。
それは、睡眠導入剤も同じで、眠れない原因を除去しなければ、飲み続けることになります。
そして、鎮痛剤は痛みの原因はわかっていても、治療が不可能で、痛みが出るたびに飲み、それを続ける傾向があります。
それぞれに、飲む理由があり、その症状を引き起こしている根本原因にアプローチできなければ、永久に飲み続ける必要があるわけです。
鍼灸治療では、この薬剤の継続投与を避けるため、二つのことができます。
それは、「根本治療」と「症状緩和」です。
理想は、もちろん、根本治療です。
根本原因が無くなれば、症状も消えるわけですから、精神安定剤や睡眠導入剤、鎮痛剤はやめることができます。
また、薬の代わりに鍼灸で症状を緩和すれば、薬を減らすことも可能です。
患者さんの中には、自力で薬を減らそうとする方もいらっしゃいますが、薬と同じ効果を出せる何か、例えば食事療法や健康法などを加えなければ、結局のところ薬を飲みなおすことになってしまいます。
薬を減らす場合は、それに代わる治療を加えることが大切です。
鍼灸治療は、その希望にお応えできる一つであると思います。