西宮 鍼灸院 甲子園鍼灸治療センター
耳からもくる『めまい』
めまいは、とても不安になる症状です。
体のコントロールがきかなくなってしまいます。
痛みなどがあるわけではないですし、どこかが動かないというわけでもありませんが、本当に何もできなくなってしまう症状です。
それが、突然、体をおそうのですから、めまいの症状をお持ちの患者様はいつも不安な気持ちで生活なさっています。
めまいには、さまざま理由があります。
その大きなものに、耳の箇所の異常があります。
耳は、音を聞く働きだけではありません。
からだのバランスを保つ働きも持っています。
耳に異常がおきると、めまいが発症します。
主に『回転性めまい』が起こります。
その他に、耳鳴りや吐き気、嘔吐などの症状が、異常の発生している場所によって併発します。
原因その1 リンパ液の増加
めまいの原因に、耳の部分の水分代謝が悪くなる、というものがあります。
耳を満たしている液体であるリンパ液が増え、むくみが起こり、めまいが発症します。
これを西洋病名なら、内リンパ水腫(ないりんぱすいしゅ)といいます。
めまいだけではなく、難聴や耳鳴りなどの聴覚にも異常があらわれることもあります。
また、水であふれているわけですから、耳がつまった感じも出ることがあります。
内リンパ水腫が原因の病気に「メニエール病」があります。
このめまいを治すためには、水分代謝をコントロール必要があります。
鍼灸治療では排尿を促進したり、水分の代謝を高めたりします。
水分摂取を抑えるという指示をすることもあります。
逆に水分をたくさんとって、排尿を促進する方法というのもあるようです。
ですが、体力がない方では悪化することがありますのでご注意ください。
原因その2 耳石が入ってしまう
耳石(じせき)というものが、耳の中にあります。
これは、耳の中の前庭(ぜんてい)という場所にあります。
この耳石がはがれてしまい、三半規管(さんはんきかん)という体のバランス感覚を保つ器官に入り込んでしまうことがあります。
すると、三半規管がその石に反応してしまい、めまいが起こります。
これは西洋医学では、「良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい症」とよばれます。
これは、まずは横になり安静にすることです。
そして、首をゆっくりと左右に動かすなどをして、耳の中に入った耳石を三半規管の中で動かすようにします。
耳石はもろいので、耳の中で動いているうちに砕けてなくなってしまうとされています。
耳石が砕けてなくなれば、このめまいは改善します。
このめまいの再発が続くようであれば、鍼灸では、骨をしっかりと堅く固定するような治療をします。
耳と骨、腎の3つは、東洋医学では関連があるとされてきました。
内臓の腎臓を治療することが、耳と骨には大切であると考えられています。
耳の神経の炎症
バランスを脳に伝える神経に炎症が起こるのも、めまいの原因になります。
バランスの情報を脳へ伝える前庭(ぜんてい)神経という神経に炎症が起こると、情報がちゃんと伝わらず、めまいが起こります。
西洋医学では、前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)とよばれます。
神経の炎症は、風邪で発症することが多いようです。
神経の炎症ですので、理由はさまざまですが、ウイルスや血液循環障害が原因と考えられています。
鍼灸の治療では、ウイルス性で未だ感染しているようであれば、免疫を上げて、ウイルスと取り除く治療になります。
そのあとで、耳の部分の炎症を治療することになります。