体の中と外。環境と鍼灸治療

桜も散って春真っ只中のはずが、天気がすぐれずとても寒い日が続いています。

皆さんがご存知のように人の体にとって、筋肉の運動や食べ物の消化をうまく行うことはとても大切なことです。

ですが、それも体の外とうまくバランスが取れていればの話です。

体の不調は、体内に感じますが、原因は体の外にあるのかもしれませんよ。

東洋医学で考える体の外のこと。

東洋医学では、体を包む環境の要素を六つに分けています。

風・寒・暑・湿・燥・火の六つです。

これらが季節ごとに順番に訪れます。

春は風、夏は火、冬は寒など環境が変化していくわけです。

湿は湿気のことで、雨が降れば湿気るわけで、雨の前に古傷が痛み始めるというのはこれのことです。

梅雨の季節などは、雨でなくても湿気だらけですね。

私たちの体は、この環境要因に絶えずさらされているということなんです。

人の体は環境に対応するように変化していく。

さて、季節などの変化によって、環境の要素も変わっていくわけですが、人の体もそれに合わせようと変化していきます。

それが出来ないと、病になってしまいます。

夏になれば、体を冷やそうとします。

冬になれば、温めようとするわけです。

ですから、季節に関係なく熱い国の人は、普段から体を冷やす機能が高いはずなんです。

沖縄の人が関西に住むと、寒い寒いとおっしゃるのがその一例です。

もし、東北などのもっと寒い地域に住んだら、それはもう凍えることでしょう。

その逆もあって、東北の人が沖縄に住んだら熱くて仕方が無いでしょうね。

ずれた季節のつらさ。

さて、話を戻しますと、今は春で暖かくなっているはずなのにこの寒さ、とてもつらいですよね。

それは当然なのです。

なざなら、体はこれから暖かくなっていくことを知っていて、それにあわせて寒さ対策をやめていってるからなんです。

体が衣替えしていってるようなものですね。

ですから、季節はずれの気候がおとずれたときは気をつけなければなりません。

春のこの寒さ、ちょっと辛抱すればなんて簡単に考えると、ガツンと体調を崩してしまいます。

考えている以上に防寒を行ないましょう。

そうでないと、さらに巡ってくる次の季節に対応する体力も失ってしまいますよ。

鍼灸というのは、体内のことだけでなく、こういった体外の環境がどのような状態なのかも考えて治療を行なうものなのです。