肩こり

肩こりは、右か左かで治療が変わります

「肩こり」というのは、肩の筋肉の過緊張が原因です。

その過緊張がなぜおこっているのかを知ることが大切です。

肩こりの様々な原因

・慢性化した四十肩・五十肩(正式病名:肩関節周囲炎)

・頚椎症

・頸椎ヘルニア

・胸郭出口症候群

・筋肉の拘縮

・慢性の風邪

・軽いアレルギー・花粉症

・精神的不安・イライラ

・心臓の負担(左肩に症状がでます)

など

様々な原因が考えられます。

これらの原因のうち、外科手術で治療でできるものであれば西洋医学での処置が可能ですが、それほどでもないものは、治療されないままに鎮痛剤や安定剤などで経過観察におちいってしまいます。

体質・原因に合わせた鍼灸治療

肩に過緊張の原因には、精神的ストレスのかかった闘争状態、風邪などの外的要因ストレス、睡眠不足や眠りが浅い、内臓の動きがスムーズに動かないなどがあります。

渇根湯が肩凝りに効果があるとされていたのは、傷寒論に記載さえている風邪薬だからです。

精神的ストレスは、その他に体が受けている内臓や不眠などのストレスを取り除くことにより、かなり緩和されます。

東洋医療において肝蔵機能は肩の働きと密接な関わりがあるとされており、肝臓に対するアプローチは大変に重要です。

また、肩こりでも右と左ではその意味は違ってきます。

左の肩こりは胃腸のはたらきがうまく働いていない場合が多く、また、風邪などによる冷えも左側に出やすいです。

右の肩こりでは肝臓のはたらきと関係している場合が多く、寝不足などが原因でも右側に出やすいです。

左肩こり-食事の不摂生による胃腸の不調・初期の風邪

右肩こり-睡眠寝不足・精神的ストレス・肝臓機能低下

このように体調全般を把握して、治療することが重要です。

肩こりの鍼灸治療

体質によって、肩こりの場所が変わる

肩こりでどこが痛むかも体質が関係しています。

肩前面の症状

左肩前面がこるときは、胃腸が冷えにより動きにくい人が多く、それにより胃腸と関係しているツボや筋肉が固まってしまって、このような症状になります。

また、右肩の前面がこるときは、胃炎などの炎症性疾患が胃腸にあることが多いです。

アルコールや油物に胃腸が負けて熱をもってしまった場合、右肩前面に症状が出ます。

肩側面と上面の症状

このこりは、脇腹の引きつりが関係していることが多く、脇の筋肉の動きが悪い時は、肝臓の調子が悪いことが多いとされています。

東洋医学では「胸脇苦満」という症状がこれに当たります。

肩側面がこるという症状が治りにくい人は、患者様ご自身が感じていないこの胸脇苦満を持っていることが多いです。

ですから、日ごろ脇を伸ばすようにすると、肩に良いです。

肩後面の症状

肩の後面がこったり痛んだりする症状です。

これは、泌尿器系が上手く動いておらず、首から腰までの背中全体の筋肉が上手く動けていないことが多いです。

また、食生活が悪く、慢性の胸詰まりを持っている人で、それが原因で背中が固くなることもあります。

左の後面から背中が固い時は、心臓の疾患についても考えておかなければなりません。

どの内的原因も、全て肩甲骨の動きを悪くしています。

肩甲骨を下に引き下げるように意識しながら肩を回すと肩のこりに良いです。

東洋医学での肩こり鍼灸治療

肩のこりは肩の筋肉や腱が悪くなっているのですが、東洋医学ではその原因には内臓もかかわっていると考えられています。

なかなか治らない肩こりは、そういった要因が重なっていることが多いです。

年齢的にも激しい運動などなさっていない患者さまが多く、ほぼ内的要因によるものという方が多いです。

日ごろ運動をなさっておらず、慢性の肩こりなどを患っているところに、加齢とともに食生活の不摂生などに体力的に対応できず、内臓と関係するとされる筋肉やツボが固くなり、肩こりが固定されます。

こういった肩こりには、症状を緩和しつつ、体内を整えなければ、治療効果が持続しません。

治療で使う主なツボ

主なツボは、肩こりの症状に応じて使い分けます。

肩前面に症状がある場合

症状を改善させつつ、胃の調子も整えると効果的ですので、肘にある「曲池」、脛にある「足三里」「条口」、足の甲にある「衝陽」などを使います。

肩側面に症状がある場合

肝臓そして胆のうを整えると良いので、手首の「外関」、膝下の「陽陵泉」、足甲の「太衝」「臨泣」などで治療します。

肩の後面に症状がある場合

泌尿器系をととのえると良いので、手の「後渓」、アキレス腱の少し上「承山」、足首の「崑崙」「太渓」、胸が苦しいなどの症状が重なっている場合は手首の「内関」も使います。

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本記事は、鍼灸に関する一般的な情報であり、特定の症状や体質の方に適しているとは限りません。ご自身につきましては、専門家や医師にご相談ください。

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適応症
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