自律神経と貧血症状を鍼灸治療

貧血と自律神経

自律神経とは、心臓や血管、内臓などの働きを調節する神経系の一部です。

自律神経は交感神経と副交感神経に分かれており、交感神経は緊張や興奮などのストレスに対応して身体を活性化させる役割を持ちます。

一方、副交感神経はリラックスや睡眠などの休息に対応して身体を回復させる役割を持ちます。

自律神経はこの二つのバランスを保つことで、身体の機能を正常に維持します。

しかし、現代社会ではストレスが多く、交感神経が過剰に刺激されることが多くなります。

これにより、血圧や心拍数が上昇し、血管が収縮して血流が悪くなります。

貧血ではない貧血症状

自律神経の不調が貧血の原因になるとは言い切れませんが、自律神経がうまく働かないことで、貧血のような症状が起こります。

内臓の働きが低下し、消化不良などの症状が出やすくなります。

さらに、リラックスや睡眠の質も低下し、疲労回復ができなくなります。

このように自律神経の乱れは、身体全体に悪影響を及ぼし、血流が悪くなることで、酸素や栄養素が十分に運ばれなくなります。

これにより、貧血のようなふらつきの症状が起こります。

また、赤血球の生成に必要な鉄分やビタミンなどの吸収不足につながる可能性もあります。

内臓の働きが低下が進むと、胃や腸の粘膜が傷つきやすくなり、そこからの出血が起こり、出血性貧血の原因にもなりかねません。

貧血で自律神経不調

貧血は自律神経の乱れをさらに悪化させる可能性もあります。

貧血になると、酸素不足や栄養不足で身体が弱ります。

これは交感神経を刺激し、ストレス反応を引き起こします。

また、貧血によるめまいや動悸、倦怠感などの症状は不安や恐怖を感じさせます。

これも交感神経を刺激し、ストレス反応を引き起こします。

このように貧血は自律神経のバランスを崩し、さらなる悪循環に陥る可能性があります。

鍼灸でできる貧血治療

鍼灸とは、特定のツボに鍼や灸を用いて刺激することで、身体の気血水の流れを整える東洋医学の一種です。

東洋医学では、貧血状態のことを「血虚」といい、ツボを使って治療します。

また、自律神経のバランスを調整し、血流を改善し、内臓の働きを高めることができます。

そして、痛みや炎症を抑えることで、出血性貧血の予防にもなります。

鍼灸はリラックス効果や免疫力の向上も期待でき、貧血症状を軽減し、疲労回復を促進することにもつながります。

貧血と自律神経の関りは直接的ではありませんが、自律神経と関りのある各器官の不調により貧血症状は起こります。

さらに進行すると貧血になる可能性があります。

ふらつきや倦怠感などの貧血症状があるときは、自律神経を整えてみるのも良い方法でしょう。