ウイルスと戦いやすい体内環境作りが重要
風邪を引いたら、消化の良いものを食べてください。
昔から風邪は万病のもとといわれ、多くの人が風邪で亡くなりました。
それをなんとか阻止しようと、3世紀前半 後漢の張仲景(ちょうちゅうけい)が『傷寒論』を記しました。
今の多くの漢方薬はこの中に記されているものです。
患者様の診察においては、症状が内因性なのか外因性なのかを知る必要があります。
風邪は、もちろん外因性であり、主に体の防御機能を高めつつ、免疫機能を働かせる必要があります。
体をウイルスとの戦いに集中させ、また、戦いやすい環境を体の中に作るというわけです。
背筋の冷えが原因で始まっている風邪の初期であれば、背筋を暖かくする治療をおこない、内臓までウイルスに冒されないように内臓を良い状態に維持するようにします。
患者様によっては、風邪を引いた際に栄養を付けようとお肉などを食べる方がいらっしゃいますが、やめてください。
戦闘中においしい食事を取っているヒマなどはありません。
とにかく、消化吸収しやすい(スープや炊き込んだおかゆなど)を食べ、消化管に血液をあまり使わないようにして、ウイルスとの戦闘に体が集中できるようにしなければなりません。
風邪の初期の対処法として体を暖かく保つことは当然ですが、主に背筋を暖かくするためにタオルを首筋から肩口にあてます。
こうすると、体温が逃げず暖かく保つことができます。
ご自分で風邪を引いたかどうかの判断は難しいですが、首筋がゾクッときたら、その瞬間風邪に冒されたと考えてください。
そこから、体になんとなく不調が続けば、呼吸器疾患(セキや鼻水)にまで至っていなくとも、風邪に対する対処を始めてください。