東洋医学の鍼灸で体質を考える

西宮市甲子園の鍼灸院、甲子園鍼灸治療センターです。

今回は、東洋医学で考える体質と、それを踏まえた鍼灸治療についてツボもあげながら説明したいと思います。

東洋医学における体質とは

東洋医学では、体質は単なる身体の状態ではなく、その人の生まれ持った特性と、日々の生活の中で変化する要素が組み合わさったものと考えます。

生まれつきの体質と後天的な体質

生まれつきの体質は遺伝などによって決まります。一方、後天的に変化する体質は、皆さんの食生活、住んでいる環境、ストレスなどによって日々変化していくものです。

この体質が、私たちの健康や病気に深く関係しています。体質に合わない生活は体のバランスを崩し、病気になりやすくします。逆に、体質に合った生活を送ることで、体のバランスが整い、健康を維持しやすくなるのです。

東洋医学が考える五つの体質タイプ

東洋医学では、自然界のあらゆるものを「木・火・土・金・水」の五つの要素に分類する五行論という考え方があります。この五行は、私たちの体の構造や機能、さらには感情や性格にも当てはまると考えられており、体質もこの五行に沿って大きく五つのタイプに分けられます。

1. 木型タイプ

  • 特徴: 筋肉が発達し、肌に張りがある。活動的で意志が強く、リーダーシップを発揮することが多いです。
  • 注意点: 怒りっぽい傾向があり、肝臓や胆嚢の不調が出やすいことがあります。

2. 火型タイプ

  • 特徴: 血色が良く、顔色が赤い。陽気で社交的、情熱的ですが、興奮しやすく不安定な一面も。
  • 注意点: 心臓や小腸に不調が出やすいことがあります。

3. 土型タイプ

  • 特徴: 肉付きが良く、肌が柔らかい。温厚で優しく忍耐強いですが、思い込みが激しく頑固な一面も。
  • 注意点: 胃膵臓や脾臓に不調が出やすいことがあります。

4. 金型タイプ

  • 特徴: 骨格がしっかりし、肌が白い。冷静で正確、秩序を重んじますが、冷淡で厳格、孤独を感じやすい一面も。
  • 注意点: 肺や大腸に不調が出やすいことがあります。

5. 水型タイプ

  • 特徴: 骨格が細く、肌が黒い。静かで内省的、知的なタイプですが、消極的で臆病、無気力に陥りやすい一面も。
  • 注意点: 腎臓や膀胱に不調が出やすいことがあります。

鍼灸で体質を整える

当院の鍼灸治療では、このような体質の考え方をベースに、お一人おひとりに合ったアプローチを行います。鍼灸は、特定の部位(ツボ)に鍼やお灸を施すことで、体内の気血水(きけつすい)と呼ばれる流れを調整し、体質改善を促す治療法です。

具体的な体質別の鍼灸アプローチは以下の通りです。

  • 木型: 気滞(気の流れの滞り)を解消し、肝胆の働きを良くします。怒りやイライラの緩和を目指します。ツボの例: 太衝、合谷、肝俞など
  • 火型: 心火(心の活動の過剰)を鎮め、心臓や小腸の働きを整えます。興奮を落ち着かせます。ツボの例: 心包絡、神門、内関など
  • 土型: 湿邪(水分代謝の悪化)を取り除き、胃脾の働きを良くします。思い込みや頑固さの緩和を促します。ツボの例: 三陰交、足三里、脾俞など
  • 金型: 燥邪(体内の水分不足)を防ぎ、肺大腸の働きを改善します。孤独感の軽減を目指します。ツボの例: 大椎、中府、肺俞など
  • 水型: 水邪(体内の水分過剰)を排出し、腎膀胱の働きを良くします。消極性や無気力感の改善を促します。ツボの例: 命門、涌泉、腎俞など

自分の体質を知り、より健康な毎日へ

鍼灸治療だけでなく、東洋医学では食事や運動などの生活習慣も体質と密接に関わると考え、重視しています。ご自身の体質を知り、それに合った生活を送ることで、心身ともにバランスの取れた健康な状態を目指すことができるのです。

ご自身の体質についてもっと詳しく知りたい方や、体質に合わせたケアにご興味のある方は、ぜひ一度、ご相談ください。