胸郭出口症候群
胸郭出口症候群とは、首や肩こり、腕や手の痛みやしびれなど上肢に症状があらわれる疾患です。
スマホやPCを長く使ったり、腕を上げたときなどに特に症状が悪化したりします。
女性に多い症状です。
首と肩のコリで神経や血管が圧迫
首と腕の付根部分には、神経や血管があります。
これらが筋肉のコリによって圧迫されることで症状があらわれます。
原因となる筋肉としては、斜角筋や小胸筋です。
これらの筋肉に挟まれながら神経や血管があるため、緊張してしまうと、強く圧迫されてしまします。
それにより、腕がしびれたり、手の血流が悪くなり冷たくなるなどの症状があらわれるのです。
血行障害がおこると、腕・手指が冷たくなったり、ひどいときにはチアノーゼがおこって紫色になることもあります。
また腕神が圧迫されると、痛みや痺れなどの症状が生じます。
胸郭出口症候群の種類
障害される部位によって、斜角筋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群に分類されます。
斜角筋症候群
斜角筋により神経が圧迫されたものです。
手の薬指、小指に知覚異常や痛みがおこります。
なで肩の女性に多い病気で、長く肩を下げていると症状が悪化します。
肋鎖症候群
鎖骨と肋骨の間で血管や神経が圧迫されておこります。
指先に軽い知覚障害やチアノーゼが起こります。
肩が下がると圧迫により症状がおこります。
過外転症候群
小胸筋という筋肉や、肋骨と鎖骨の間で神経や血管が圧迫されることで起こります。
指先の血流が悪くなり知覚障害がおきます
腕を上げると圧迫が強まるので、腕を頭より上げた状態を続けた時などに発病しやすいです。
腕の痺れや痛みがおこります。
胸郭出口症候群の鍼灸治療
鍼灸治療は、神経や血管の圧迫を改善するためのツボを使います。
圧迫を加えている筋に対して緊張を除去し血行の改善を目的とします。
使うツボとしては、
斜角筋を中心とした部分の治療に、臨泣穴、陽陵泉穴、曲池穴
小胸筋の部分では、尺沢穴、条口穴
首全体を緩めるために、後渓穴
肩甲骨を緩めるのに、公孫穴
などを使い、症状の原因となる筋肉だけではなく、首肩全体のコリを除いておくことで、高い効果が望めます。
胸郭出口症候群の運動法
首や肩の体操や筋力アップも効果的です。
運動により血行が促進すると、手の冷えが改善します。
筋肉のコリには、首から肩、腕のストレッチをご指導いたします。
また姿勢や生活習慣の改善も大切です。
日常の問題点を解決しておくことで、症状の改善のみではなく再発が防止できます。