流れを取り戻せば、痛みもコリも改善へ
「体の動きと力の流れ」について
「流れるような動き」—— スポーツやダンスの素晴らしいプレーを見た時、思わず口にする美しさ。実は、私たちの体は本来、常に流れるように動いているのです。
体の動きは「力の流れ」が生み出す
私たちの体は、中心から外へ、外から中心へ、まるで体内の循環のように力が流れ動いています。これは単なるイメージではなく、筋肉の運動そのものを指します。筋肉が生み出した力は、体の中をスムーズに伝わっていくことで、様々な動きを作り出しているのです。
もし、この力の流れが滞ってしまうとどうなるでしょうか?
体をうまく動かせない
痛みの原因の一つは、この力の流れが止まってしまった場所にあるのです。皆さんがよく感じるコリも、まさにこの力の流れが滞った状態と言えます。力みもまた、スムーズに流れずに一点に留まることで、コリや痛みを引き起こす要因となります。
ですから、これらの筋肉の不調を改善するためには、滞った力の流れを取り除くことが重要になります。もちろん、なぜそこに力の滞りが生じたのか、その根本的な原因を探り、治療していくことが不可欠です。
なぜ、力の流れは止まってしまうのか?
では、私たちの体は常に力を生み出し、流しているのに、なぜその流れは止まってしまうのでしょうか?
スムーズな力の流れには、なめらかな筋肉の動きが不可欠です。まるで波がうねるように、筋肉が連動しながら力を伝えていく必要があります。この筋肉のうねりがうまくいかないと、力の流れは途中で滞ってしまうのです。
筋肉がスムーズに動かない理由
筋肉がスムーズに動かなくなる原因は様々です。
筋肉の損傷: ケガなどで筋肉に傷がついている場合、スムーズな動きは阻害されます。
古傷: 過去の傷跡が、筋肉の動きを制限してしまうこともあります。
不良姿勢: 悪い姿勢を無理に維持しようとすると、特定の筋肉が常に緊張し、力の流れを妨げます。
では、これらの原因によって滞ってしまった力の流れは、再びスムーズになるのでしょうか?
眠った力を呼び覚ます
筋肉は、本来持っている力を伝える能力を再び取り戻すことができます。そのためのアプローチはいくつかあります。
1.力を伝える運動を繰り返す
ご自身で行えることとして、やはり運動は非常に有効です。様々な動きを通して、体内の力の流れを再構築しましょう。ポイントは、力を意識しながら、流れるような動きを心がけることです。
2.ストレッチ体操
ストレッチは、個々の筋肉だけでなく、力を伝えるラインである筋肉群全体を伸ばすことができます。ストレッチをした際に、特定の場所が硬く感じたり、痛みを感じる場合、そのラインで力の流れが滞っている可能性があります。意識的にストレッチすることで、力の流れを改善しましょう。
3.鍼灸治療で、流れを回復させる
そして、私たち鍼灸師がお手伝いできるのが鍼灸治療、特に鍼治療です。
当院の鍼治療を受けていただくと、ツボに鍼を刺入した瞬間、電気のような感覚が体の中を走り抜けるのを感じられる方が多くいらっしゃいます。これは、筋肉群が一瞬にして動き出すサインです。敏感な方ですと、その動きが広範囲に、そして長く続くのを感じ取れるでしょう。
この治療を繰り返すことで、筋肉群の動きがスムーズになり、これまで滞っていた力が、まるでダムから解放された水のように、淀みなく流れ始めるのです。
運動やストレッチは、意識的に体を動かすことでアプローチしますが、鍼治療は、意識だけではなかなか動かせない深部の筋肉にも直接働きかけることができます。
鍼治療 × 運動療法・ストレッチ
当院では、鍼治療に加えて、患者様一人ひとりの状態に合わせた運動療法やストレッチ法もご指導させていただきます。鍼治療でスムーズになった力の流れを、ご自身の運動やストレッチでさらに強化していくことで、より高い改善効果が期待できます。
もし、体の痛みやコリ、動きにくさでお悩みでしたら、諦めずに一度当院にご相談ください。眠ってしまった体の力を呼び覚まし、本来の流れるような動きを取り戻すお手伝いをさせていただきます。
